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外国人でも自己破産できる?海外資産への影響を弁護士が解説

本記事は、日本で生活する外国籍の方、日本で事業を営む外国人、外国人配偶者を持つ家族など、外国人の自己破産について知りたい方を対象に解説しています。

日本で生活している外国人や外国籍の方の中には、病気や失業、事業の失敗などを理由として借金の返済が困難になり、「外国人でも日本で自己破産できるのだろうか」と悩んでいる人も少なくありません。

結論からいうと、外国人であっても一定の要件を満たせば、日本の裁判所で自己破産の申立てを行うことは可能です。

もっとも、日本人の自己破産とは異なり、外国人の場合には在留資格や永住許可への影響、海外にある資産や不動産の取扱い、日本国内に住所または居所を有しているかといった点など、確認すべき事項が数多く存在します。

また、「海外の銀行口座も申告する必要があるのか」「帰国予定がある場合でも破産手続きは利用できるのか」「自己破産をすると在留資格の更新に影響するのではないか」など、外国籍の方特有の疑問を抱えるケースも珍しくありません。

そこで本記事では、外国人が日本で自己破産を行うための要件、在留資格への影響、海外資産の取扱い、破産手続きの流れや注意点について倒産法制の理論と実務に精通した法律事務所に属する弁護士が分かりやすく解説します。

外国人でも自己破産が認められるための要件

果たして外国人は日本において自己破産することができるのでしょうか。

外国人の債務者が自己破産を行うにあたって、その要件を検討していきます。

自己破産が認められるための要件

日本の裁判所に管轄が認められるだけで、直ちに自己破産が認められるわけではありません。破産法第15条第1項に基づき、債務者が支払能力を欠き、弁済期にある債務を一般的かつ継続的に支払うことができない「支払不能」の状態にあることが必要です。また、債務者本人は同法第18条第1項に基づいて破産手続開始を申し立てることができます。

破産手続は、日本人だけを対象とした制度ではありません。

破産法第3条は、外国人または外国法人が、破産手続、免責手続および復権の手続に関して、日本人または日本法人と同一の地位を有することを定めています。

もっとも、日本の裁判所へ破産手続開始を申し立てるためには、日本との一定のつながりが必要です。破産法第4条第1項によると、個人である債務者については、日本国内に営業所、住所、居所または財産を有する場合に、日本の裁判所へ申立てを行うことができます。

さらに、具体的にどの地方裁判所へ申し立てるかは、破産法第5条に基づき、原則として債務者の営業所や住所などを基準として判断されます。

例えば、次のような事情がある場合には、日本の裁判所へ自己破産を申し立てられる可能性があります。

・日本国内に住所または居所がある

・日本国内に営業所がある

・日本国内に預貯金、不動産その他の財産がある

・日本を生活または事業活動の本拠としている

既に帰国して日本国外で生活している場合でも、日本国内に財産が残っていれば申立てが可能となる場合があります。ただし、日本国内に財産があることのみを根拠として申し立てるケースでは、管轄や手続きの進め方について専門的な検討が必要です。 このように、外国籍であることのみを理由として日本の破産手続を利用できないわけではありませんが、 実際には在留資格や勤務状況、資産の所在など、個別事情によって判断が異なるため、申立てを検討する前に倒産法制の理論と実務に精通した弁護士に相談するとよいでしょう。

なお、借金問題の解決方法は自己破産だけではありません。

借金を大幅に減額できる個人再生や、利息の見直しなどを行う任意整理が適しているケースもあります。そのため、事情に応じて最適な債務整理を選択することが重要です。

外国人が自己破産できないケース

外国人であれば必ず自己破産が認められるわけではありません。

例えば、次のようなケースでは、日本の裁判所で破産手続きを利用することが困難になる可能性があります。

まず、日本との関係が極めて薄い場合です。

日本国内に住所や生活実態がなく、一時的な滞在にすぎない場合には、日本の裁判所が管轄を認めない可能性があります。

また、外国に生活の本拠があり、日本国内にはほとんど資産や債権者が存在しない場合も、申立てが認められないことがあります。

さらに、破産手続に必要な資料を提出できない場合も注意が必要です。

外国人の場合には、海外に保有する銀行口座、不動産、投資資産などを所有していることがあります。これらの情報を十分に開示しないと、破産管財人による調査の対象となるだけでなく、免責不許可事由に該当する可能性もあります。

「海外にある資産だから申告しなくてもよい」と考えるのは誤りです。

日本の破産手続では、日本国内の財産だけでなく、海外資産についても申告が必要になるケースがあります。財産を隠したり虚偽の説明をしたりすると、免責が認められないおそれがあるため十分注意してください。

外国人が自己破産した場合の在留資格・永住権への影響

在留資格や永住許可への影響

外国人が自己破産を検討する際、最も多い質問の一つが「在留資格に影響はあるのか」という点です。

結論として、自己破産をしたという事実だけで在留資格が取り消されたり、日本から退去しなければならなくなったりすることは通常ありません。

自己破産は、経済的に再出発するために法律で認められた制度です。そのため、破産手続を利用したこと自体が出入国管理制度上の退去強制事由となるわけではありません。

また、永住者についても、自己破産のみを理由として永住資格が直ちに失われることは通常ありません。

もっとも、個々の在留資格の内容や更新審査では、生活状況や納税状況などが総合的に考慮されるため、自己破産以外の事情も含めて確認されることがあります。

そのため、在留資格の更新時期が近い場合や永住許可の取得を予定している場合には、弁護士だけでなく、必要に応じて弁護士などの専門家にも相談しながら手続きを進めると安心です。

勤務先や家族への影響

自己破産をすると、「会社に知られてしまうのではないか」「家族まで影響を受けるのではないか」と不安を感じる外国人も少なくありません。

まず、勤務先についてですが、裁判所から勤務先へ自己破産を通知する制度はありません。そのため、通常は会社に知られることなく手続きを進められるケースが多いといえます。

もっとも、給与の差押えが行われている場合や、勤務先から借入れをしている場合などには、会社が手続きを知る可能性があります。

また、家族についても、本人が自己破産をしたからといって、配偶者や子どもまで当然に破産者となることはありません。

ただし、家族名義とされている財産であっても、実質的には本人の資産であると判断される場合には、破産手続の中で調査対象となることがあります。

そのため、自己破産を検討する際には、自分だけで判断するのではなく、財産状況や家族との関係を整理したうえで、早い段階から法律事務所へ相談することが大切です。

外国人が自己破産すると海外資産や海外口座はどうなる?

外国人の債務者が自己破産した場合には、海外にある資産や海外にある金融機関の口座はどのような取扱いとなるのでしょうか。

海外資産・海外不動産の取扱い

外国人が自己破産を検討する際、日本人以上に重要となるのが海外に保有する資産の取扱いです。

「日本の裁判所で行う手続きだから、海外にある財産は関係ない」と考える人もいますが、そのような理解は正しくありません。

申立人は、財産目録その他の申立書類において、国内外の財産を正確に申告する必要があります。そのため、日本国内だけでなく、海外にある資産についても原則として申告の対象となります。

破産法第34条第1項は、破産者が破産手続開始時に有する一切の財産を破産財団に属するものとしています。その対象は日本国内にある財産に限られないため、海外の銀行預金、不動産、証券口座、外国法人の株式なども、原則として申告しなければなりません。

例えば、次のような財産を保有している場合には、弁護士へ正確に伝える必要があります。

  • 海外の銀行預金
  • 海外の証券口座
  • 海外に所在するマンションや土地
  • 海外法人の株式や出資持分
  • 暗号資産・仮想通貨
  • 海外にある高額な動産
  • 相続により取得した海外資産

破産手続では、一定額を超える財産は換価され、債権者への配当に充てられる可能性があります。

もっとも、海外資産だからといって必ず換価できるとは限りません。

外国の法律との関係や財産の所在国によっては、日本の破産手続だけでは処分が容易ではないケースもあります。海外資産が破産財団に属することと、財産所在地国において日本の破産手続きの効力が承認され、現実に換価できることとは区別して考える必要があります。 しかし、それは申告しなくてもよいという意味ではありません。

海外資産の存在を隠したまま手続きを進めることは大きなリスクとなります。

海外口座や海外不動産を所有している場合には、早い段階で弁護士へ相談し、どのような資料が必要になるのかを確認しておきましょう。

 

海外の借金や外国の債権者も申告する必要がある

日本で自己破産を申し立てる場合、申立人は、日本国内の借金だけでなく、海外の金融機関、親族、知人、取引先などに対する債務についても正確に申告する必要があります。

例えば、次のような債務も対象となります。

・外国の銀行や貸金業者からの借入れ
・本国に住む親族や知人からの借入れ
・海外で利用したクレジットカードの未払金
・外国の税務当局に対する債務
・海外の家賃や公共料金の未払金
・外国の事業者や取引先に対する買掛金

海外の債権者についても、原則として債権者一覧表に記載しなければなりません。外国の債権者だからという理由で、申告の対象から除外することはできません。

債権者の所在地が海外にある場合には、破産手続開始決定などの書類を外国へ送付する必要が生じます。裁判所の運用や送付先の国によっては、申立人または申立代理人が書類を送付したり、外国語の翻訳文を準備したりするよう求められることがあります。

海外の債権者の住所や連絡先が分からない場合であっても、直ちに申告しなくてよいことにはなりません。契約書、請求書、メール、送金記録などを確認し、判明している情報を弁護士へ正確に伝えることが重要です。

一部の債権者を意図的に債権者一覧表から除外すると、免責の効力や免責不許可事由との関係で問題となる可能性があります。そのため、親族や知人からの借入れを含め、すべての債務を漏れなく整理してください。

日本の免責許可決定は海外でも有効になる?

日本の裁判所で免責許可決定が確定した場合、外国に住所を有する債権者であっても、日本国内において破産債権に基づく取立てや強制執行を行うことは原則としてできなくなります。

しかし、日本の裁判所による免責許可決定の効力が、外国でも当然に認められるとは限りません。

外国において免責の効力が認められるかどうかは、その国の国際倒産法制や外国裁判の承認制度によって異なります。そのため、免責後に本国へ帰国した場合や、外国に新たな財産を取得した場合には、外国の債権者から現地で請求や強制執行を受ける可能性を完全には否定できません。

特に、海外の債務額が大きい場合や、本国に不動産、預貯金、事業用資産などを有している場合には、日本の自己破産だけで問題を解決できるかについて慎重な検討が必要です。

場合によっては、財産所在地国の弁護士と連携し、現地の倒産手続や日本の免責決定の承認手続きについて確認しなければならないこともあります。

【日本の免責効力の範囲(まとめ)】

  • 日本国内: 原則として請求・強制執行はできない
  • 海外(諸外国): 相手国の法律による(当然には効力が及ばない)

 

財産を隠した場合のリスク

自己破産は、借金の支払義務を免除してもらう代わりに、裁判所へ財産や債務を正確に開示することが前提となっています。

そのため、海外資産を故意に申告しなかった場合には、重大な不利益を受ける可能性があります。

代表的なものが免責不許可事由です。

例えば、次のような行為は問題となる可能性があります。

  • 海外口座を申告しない
  • 海外不動産を家族名義へ移転する
  • 財産を第三者へ隠す
  • 海外送金によって財産を移動させる
  • 預金を意図的に秘匿する

海外資産(例えば、中国のマンション、韓国の預金、ベトナムの土地、米国株口座、香港証券口座を含みますが、これらに限定されるものではありません)を隠したり、家族などへ名義を移したりする行為は、破産法第252条第1項第1号に定める財産の隠匿または不利益処分として、免責不許可事由に該当する可能性があります。また、裁判所へ提出する財産目録などに虚偽の記載をした場合には、同項第8号に該当するおそれもあります。

このような行為が認められると、裁判所が免責を認めない可能性があります。

また、破産管財事件となった場合には、破産管財人が財産関係を詳細に調査します。

近年では国際的な金融取引も増加していることから、「海外だから分からないだろう」と安易に考えることは避けるべきです。

自己破産は誠実な手続きへの協力が求められる制度です。

財産について不明な点がある場合には、自分で判断するのではなく、法律事務所へ相談した上で適切に申告することが、結果として円滑な手続につながります。

外国人が自己破産する際の手続き・費用・注意点

次に外国人の債務者が自己破産する場合における手続きの流れや必要になる費用、さらには若干の注意点を説明します。

自己破産の流れ

外国人が日本で自己破産を行う場合でも、基本的な流れは日本人の場合と大きく変わりません。

一般的には次のような手順で進行します。

① 弁護士・法律事務所へ相談する

まずは借金の状況や収入、財産、在留資格などについて弁護士へ相談します。

この段階で自己破産が適切なのか、それとも個人再生や任意整理の方が適しているのかを検討します。

② 必要書類を収集する

住民票、在留カード、給与明細、預金通帳、借入状況、課税証明書など、多くの資料を準備します。

外国人の場合には、海外資産に関する資料や外国語の書類が必要になることもあります。

③ 裁判所へ申立てを行う

必要書類が整ったら、弁護士が申立書を作成し、日本の裁判所へ自己破産を申し立てます。

申立て後は裁判所から追加資料の提出を求められることもあります。

④ 破産手続開始決定

裁判所が要件を満たしていると判断すると、破産手続開始決定が出されます。

財産の内容によっては、破産管財人が選任されることがあります。

⑤ 免責許可決定

免責が認められれば、多くの借金について支払義務が免除され、新たな生活をスタートできます。

同時廃止事件と管財事件のどちらになる?

個人の自己破産は、大きく分けて「同時廃止事件」と「管財事件」のいずれかで進みます。

同時廃止事件とは、換価して債権者へ配当するだけの財産がなく、破産管財人による詳しい調査の必要性も低い場合に、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了させる手続です。

これに対し、管財事件では、裁判所が破産管財人を選任し、破産者の財産、借金の原因、免責不許可事由の有無などを調査します。換価できる財産がある場合には、破産管財人が財産を売却し、債権者への配当を行うことがあります。

外国人の自己破産では、次のような事情があると、海外資産の調査などのために管財事件となる可能性があります。

・海外に預貯金、不動産、株式などを有している
・海外への送金履歴が多数ある
・外国に事業または法人を有している
・家族名義の海外資産について実質的な所有者が明確でない
・外国語の資料が多く、財産関係の確認に時間を要する
・財産隠しや偏頗弁済が疑われる
・借金の原因に浪費やギャンブルなどの問題がある

ただし、外国籍であること自体は、管財事件になる理由になるわけではありません。あくまで海外資産や調査事項の有無によって判断されます。

費用や必要書類

自己破産を検討する際には、費用についても理解しておくことが重要です。

主な費用としては次のようなものがあります。

  • 弁護士費用
  • 裁判所へ納める予納金
  • 印紙代
  • 郵便切手代
  • 必要書類の取得費用

弁護士費用は法律事務所によって異なりますが、分割払いに対応している事務所も少なくありません。

費用面に不安がある場合には、法律相談の段階で確認しておくと安心です。

外国人の自己破産では、通常の申立書類に加えて、個別事情に応じて次の資料が必要となる可能性があります。

・在留カードの両面コピー
・パスポートの顔写真ページおよび出入国履歴が分かるページ
・住民票
・在留資格と在留期間が分かる資料
・雇用契約書、給与明細、源泉徴収票
・日本国内および海外の預金口座の取引履歴
・外国の証券会社や暗号資産交換業者の取引明細
・海外不動産の登記事項、権利証、売買契約書、固定資産評価資料
・外国法人の株式や出資持分に関する資料
・海外送金の履歴
・本国の親族や知人からの借入れを示す契約書や送金記録
・外国語で作成された契約書、請求書、残高証明書
・相続によって取得した海外財産に関する資料

外国語の資料については、日本語訳の提出を求められる場合があります。必ずしもすべてについて専門業者による翻訳証明が必要になるとは限りませんが、裁判所や破産管財人が内容を確認できる程度の正確な翻訳を準備する必要があります。

資料が手元にない場合も、海外資産や海外債務の存在を隠してはいけません。どの資料が不足しているか、どのような方法で取得できるかを弁護士へ説明しながら、可能な範囲で収集してください。

さらに、日本語による意思疎通が難しい場合には、通訳や翻訳が必要になるケースもあります。

そのため、外国人の自己破産を取り扱った経験のある法律事務所へ依頼すると、手続きをスムーズに進めやすいでしょう。

自己破産は単に借金をなくす制度ではなく、生活を立て直すための重要な法的手続です。

焦って手続きを進めるのではなく、自分の財産や債務を整理したうえで、専門家と十分に相談しながら進めることが、適切な解決への近道となります。

外国人の自己破産でよくある質問

Q1. 外国人でも日本で自己破産をすると借金はすべてなくなりますか?

自己破産で免責許可決定を受けると、多くの借金について支払義務が免除されます。免責許可決定が確定すると、破産法第253条第1項に基づき、破産者は原則として破産債権について支払責任を免れます。ただし、税金や社会保険料、悪意による不法行為に基づく損害賠償債務、一定の養育費など、同項各号に定められた非免責債権は支払義務が残ります。

そのため、「自己破産をすればすべての借金が必ずなくなる」と考えるのではなく、自分の債務が免責の対象となるかどうかについて、事前に弁護士へ確認しておくことが重要です。

Q2. 自己破産をすると在留資格や永住権は取り消されますか?

出入国管理及び難民認定法第22条の4は在留資格の取消事由を、同法第24条は退去強制事由を定めていますが、自己破産をしたこと自体は、これらの条文に独立した取消事由または退去強制事由として定められていません。そのため、自己破産をしたという事実だけで、在留資格が直ちに取り消されたり、退去を強制されたりするものではありません。

既に永住許可を受けている人について、自己破産のみを理由として永住者の在留資格が直ちに取り消されるものではありません。一方、これから永住許可を申請する場合には、納税義務や公的義務の履行状況、生活の安定性などが審査されるため、自己破産に至った事情を含めて個別に検討する必要があります。

そのため、自己破産以外にも気になる事情がある場合には、このような事項に精通した弁護士に相談しながら対応すると安心です。

Q3. 海外へ帰国する予定がありますが、日本で自己破産できますか?

帰国予定がある場合でも、自己破産ができるケースはあります。

ただし、日本国内に住所や居所があるか、裁判所の管轄が認められるかなど、個別事情によって判断が異なります。

また、申立て後に長期間海外へ滞在すると、裁判所や弁護士との連絡に支障が生じる可能性もあります。

帰国を予定している場合には、そのスケジュールも含めて弁護士へ相談しておくことをおすすめします。

Q4. 自己破産の手続中に帰国や海外旅行はできる?

自己破産を申し立てる外国人にとっては、手続中に本国へ帰国できるかどうかも重要な問題です。

申立て前の段階では、自己破産を検討していることだけを理由として、当然に出国を禁止されるわけではありません。ただし、申立て直前に多額の費用を使って海外旅行をしたり、海外へ財産を移転したりすると、浪費や財産隠しを疑われる可能性があります。

また、破産手続開始後に破産管財人が選任される管財事件では、破産法第37条第1項により、破産者は裁判所の許可を得なければ居住地を離れることができません。そのため、一時帰国、海外出張、海外旅行などを予定している場合には、事前に弁護士と破産管財人へ相談し、必要に応じて裁判所の許可を得る必要があります。

許可を求める際には、一般に次のような事項を説明することになります。

・渡航の目的
・出国日と帰国予定日
・渡航先と滞在場所
・渡航中の連絡方法
・旅費の負担者と金額
・破産手続への影響がないこと

これに対し、破産手続開始と同時に手続が廃止される同時廃止事件では、破産管財人による財産管理が行われないため、管財事件と同じ形で居住制限が継続するわけではありません。

もっとも、自分の事件が同時廃止事件になるか管財事件になるかは、申立て前には確定していません。帰国や海外渡航の予定がある場合には、申立て前の法律相談の段階で必ず弁護士へ伝えてください。

免責許可決定が確定し、破産手続が終了した後は、自己破産をしたことだけを理由として海外渡航が制限されることはありません。

Q5. 海外の銀行口座や海外不動産も申告しなければなりませんか?

はい、原則として申告する必要があります。

自己破産では、国内外を問わず、自分が保有する財産を裁判所へ誠実に開示することが求められます。

海外預金や海外不動産を隠した場合には、免責不許可事由に該当する可能性もあります。

「海外にあるから分からないだろう」と合理的な理由なしに自己判断することは避け、すべての財産を弁護士へ説明するようにしましょう。

Q6. 外国人は自己破産以外の方法を選ぶこともできますか?

もちろん可能です。

借金問題の解決方法は自己破産だけではありません。

例えば、住宅などの財産を残したい場合には個人再生が適していることがありますし、安定した収入がある場合には任意整理によって返済負担を軽減できるケースもあります。

重要なのは、「自己破産ありき」で考えるのではなく、自分の収入や財産、家族構成、在留資格などを踏まえて最適な方法を選択することです。

専門家へ相談することで、複数の債務整理手続の中から適切な方法についてアドバイスを受けることができます。

まとめ

このように、外国人であったとしても、日本との一定の関係があれば自己破産を利用できます。

一方で、外国人の場合には、日本人とは異なり、

  • 在留資格
  • 永住許可
  • 海外資産
  • 海外債権者
  • 帰国予定

などについて慎重な検討が必要になります。

特に海外資産や海外口座を申告しないことは免責不許可事由につながる可能性もあります。

外国人の自己破産では、国際的な財産関係や在留資格の問題を踏まえて対応できる専門性の高い弁護士に早めに相談することが重要です。

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