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自己破産が相続に与える影響|相続発生のタイミングと注意点を解説

「自己破産した場合に相続の権利がどうなるのか」と不安に感じていませんか。相続が発生した場合、自己破産手続きにどのような影響があるのでしょうか。自己破産と相続の関係は、手続きの進行状況と相続が発生する時期によって大きく異なります。

この記事では自己破産が相続に与える影響について、相続が発生するタイミングごとに詳しく解説します。この記事を読めば、自己破産における相続の取り扱いについて理解でき、適切な判断ができるようになるでしょう。

自己破産する際は相続が発生する時期を見極めることが大切です。必要に応じて弁護士などの専門家に相談しましょう。

自己破産しても相続は可能か?

自己破産の手続き完了後であれば、相続人としての権利は通常どおり認められます。配偶者や親、兄弟姉妹が亡くなった際には、他の相続人と同じように遺産を受け取れます。自己破産の事実が相続手続きで問題になることもありません。

自己破産の申立て前や手続き中で、相続が発生した時は状況が異なります。この時期では、相続財産の取り扱いに制限が生じるため注意が必要です。

相続が開始されるのは、被相続人が亡くなった日です。相続開始日を基準として、配偶者や子ども、親、兄弟姉妹などの法定相続人に相続権が発生します。自己破産と相続との関係性を理解するには、相続開始日と自己破産手続きの進行状況を確認しましょう。

相続できない2つのケース

そもそも相続できないケースには以下の2つが挙げられます。

  • 相続欠格で権利を喪失している場合
  • 相続人から排除されている場合

相続欠格で権利を喪失している場合

相続欠格に該当する人は、相続が開始されても遺産を受け取る権利が認められません。相続欠格とは、法律違反や不正な行為を行った相続人から相続権を剥奪する制度です。

相続欠格に該当するのは以下のようなケースです。

  • 被相続人や他の相続人を故意に殺害した場合
  • 被相続人の殺害を知りながら告訴しなかった場合
  • 詐欺や脅迫によって遺言の作成や変更を強要した場合
  • 遺言書を偽造・改ざん・隠匿した場合など

相続欠格が認定されると相続権は永久に失われます。ただし、相続欠格者に子どもがいれば代襲相続が発生し、子どもが代わりに相続人となる仕組みです。

相続廃除の対象者である場合

相続人の廃除は被相続人が生前に家庭裁判所へ申立てを行い、特定の相続人から相続権を取り上げる制度です。廃除が認められると、対象者は法的に相続権を失います。ただし、申立てをすれば必ず認められるわけではなく、家庭裁判所による審査が必要です。

下記のいずれかに該当することが相続人廃除の認定要件です。

  • 被相続人への虐待行為
  • 重大な侮辱行為
  • その他著しい非行など

廃除が確定すると戸籍にその旨が記載されるため、相続手続きで使用する戸籍謄本を見れば廃除の事実がわかります。排除された事実を隠せない仕組みです。

自己破産手続きが相続に与える影響

自己破産手続きが相続に与える影響は下記のとおりです。

  • 手続き完了後は原則として影響なし
  • 手続き開始決定前は財産が残っていると換価処分される
  • 手続き開始決定後は相続財産が手元に残る

手続き完了後は原則として影響なし

自己破産の手続き完了後に相続が発生した場合、過去の破産歴は相続権や相続分に影響を及ぼしません。法律で定められた相続欠格事由に自己破産は含まれていないためです。自己破産を経験済みの方も、他の相続人と同等の権利で遺産を受け取れます。

自己破産手続き後に取得した財産は換価処分の対象外です。相続で得た遺産は自由に使用したり処分したりできます。

例外として、被相続人が生前に相続廃除の申立てを行い、認められていた場合は相続権を失います。しかし、相続廃除が認められるケースは実際には少ないといえるでしょう。

手続き開始決定前は財産が残っていると換価処分される

裁判所へ自己破産を申立てると破産手続きの開始決定が出されます。開始決定時に保有していた財産は、生活に必要な最低限の品物と99万円以下の現金を除き「破産財団」として扱われます。破産財団とは、破産管財人が管理・換価して債権者に配分する権限を持つ財産のことです。

開始決定前に相続が発生していた場合、相続財産も破産財団に含まれます。相続権自体は失われませんが、相続した財産は債権者の配当に充当されます。

本来であれば簡易な同時廃止で済むはずの事案でも、相続財産が加わることで複雑な管財事件に移行するケースもあるため注意しましょう。

手続き開始決定後は相続財産が手元に残る

自己破産の手続き開始決定が出された後の取得財産は、破産財団の対象外です。開始決定後に得られた財産や遺産は、自己破産手続きとは無関係な新得財産として取り扱われるためです。新得財産には法的な保護が適用され、破産管財人による管理や換価処分の対象になりません。

自己破産の手続き開始決定後に相続が発生した際は、遺産を受け取れます。相続財産は全額が本人のものとなり、債権者への配当に充てられることはありません。

自己破産の手続き開始決定後の相続は、自己破産手続きの進行にも影響を与えず、スムーズに完了させることが可能です。開始決定の時期が相続財産の取り扱いを左右するため、正確に把握しましょう。

自己破産するタイミングが相続財産に影響する

相続財産に影響する自己破産のタイミングを紹介します。

  • 破産手続き申立て前に相続が発生する場合
  • 破産手続き開始前に相続が発生する場合
  • 破産手続き開始後に相続が発生する場合

破産手続き申立て前に相続が発生する場合

「自己破産の申立て前」に被相続人が亡くなり相続が開始された場合、相続人として遺産を受け取ることは可能です。ただし、その後に自己破産手続きを申立てると、受け取った相続財産は裁判所による換価処分の対象で相続した財産を失います。

相続財産によって借金の全額またはその大部分を返済可能で、自己破産が不要になれば問題ありません。しかし、相続しても破産が必要なほどの負債が残る場合には注意が必要です。

多額の負債が残るケースでは、本来なら同時廃止で済むはずの手続きが管財事件になり、費用や期間が増える可能性があります。相続財産が債権者への配当に充当されるため、手元に残る財産はほとんどありません。

破産手続き開始前に相続が発生する場合

裁判所へ自己破産を申立てると、通常は1~2カ月程度で破産手続き開始決定が出されます。「申立てから開始決定までの間」に被相続人が死亡すると、相続財産は破産財団に含まれます。破産管財人によって換価・処分が行われ、得られた金銭は債権者への配当に充てられる仕組みです。

自己破産手続き開始前の時期での相続は、手続きに大きな影響を及ぼします。管財事件になると手続きの期間が長くなり、予納金などの費用負担も増加します。申立て後の短期間であっても、相続発生のタイミングが手続きの複雑さを左右する重要な要素です。

破産手続きの開始後に相続が発生する場合

自己破産手続き開始決定後に被相続人が死亡し相続が開始された場合、相続財産は破産手続きと無関係な新得財産と見なされます。自己破産の「手続き開始決定後」の相続財産は破産財団に入れられないため、破産者は相続分の全額を受け取ることが可能です。受け取った遺産は自分の判断で自由に使用・処分できます。

相続財産は破産管財人による管理や換価処分の対象にならず、債権者への配当に充てられることもありません。相続手続きも通常どおり進められ、他の相続人と同等の権利で遺産分割協議に参加できます。

自己破産手続き開始決定の前後で相続財産の取り扱いは大きく変わります。自己破産の手続き開始決定後の相続は、破産者にとって最も有利な時期といえるでしょう。

自己破産した人がいる相続

自己破産した人がいる相続では以下に注意が必要です。

  • 破産手続き開始前は破産管財人が遺産分割協議に参加する
  • 破産手続き開始決定前は相続放棄を慎重に検討する

破産手続き開始前は破産管財人が遺産分割協議に参加する

自己破産手続きの開始決定前に相続が発生した時は、遺産分割協議に参加するのは破産者本人ではなく、代理人の破産管財人です。

法定相続分に従った分割であれば、通常の相続と同じように進められます。長男が不動産を相続して現金を他の兄弟で分け合うような場合は、法定相続分と異なる分割も認められる可能性があるでしょう。法定相続分と異なる分割には、合理的な理由があり常識的な範囲内であることが前提です。

一方で、破産者を相続から排除しようとする分割方法は認められません。「どうせ換価されるから相続させない」という理由での分割案は、破産管財人から否認されるでしょう。

破産管財人は債権者の利益を守る立場にあるため、破産者の相続分を確保する必要があります。公平性を欠く分割協議は成立しないと考えるべきです。

破産手続き開始決定前は相続放棄を慎重に検討する

自己破産手続きの開始決定前に相続が発生した際には、相続放棄という選択肢も検討しましょう。相続放棄をすれば、初めから相続人ではなかったものとして扱われます。相続財産は破産財団に入れられることはありません。ただし、相続放棄に当たっては慎重な判断が必要です。

相続財産が多額で借金の大部分を返済できる見込みがある場合、相続し返済に充てれば自己破産を回避できる可能性があります。一方、相続財産が少額で自己破産手続きに影響が小さい場合は、相続放棄をするメリットが少ないでしょう。

相続放棄には相続開始を知った日から3カ月以内という期限があります。期限内に家庭裁判所へ申述書を提出する必要があるため、迅速な対応が求められます。判断に迷う場合は弁護士へ相談しましょう。

自己破産の前に遺産分割協議する時の注意点

遺産分割協議では相続人全員が合意すれば、特定の相続人の取り分をゼロにすることも法律上は可能です。ただし、自己破産を予定している相続人を意図的に除外する分割は避けるべきです。

破産予定者が遺産を受け取らない分割は、債権者への配当財産を減らす行為として詐害行為に該当する恐れがあります。詐害行為と認められると破産管財人が否認権を行使し、遺産分割協議の効力が否定される可能性があるでしょう。

破産予定者が遺産を受け取らない分割は、破産者の相続分が強制的に処分されてしまいます。詐害行為が悪質と判断されれば、免責が認められず借金が残るリスクもあります。遺産分割で破産者の取り分を不当に減らす行為は、不利な結果をもたらすためおすすめできません。

相続放棄する際の2つの注意点

相続放棄を行う時の注意点は以下の2つです。

  • 親族への報告
  • 財産の処分禁止

親族への報告

相続放棄を行う際には親族へ事前に報告しましょう。自分が相続放棄をすると、次順位の相続人である兄弟姉妹や甥姪に相続権が移る場合があります。1人で勝手に手続きを進めず、事前に親族へ情報を共有することが大切です。トラブル防止のため、必要に応じて一緒に放棄手続きを検討しましょう。

財産の処分禁止

財産の処分は禁止されています。相続放棄を考えている段階で、相続財産に手を付けてはいけません。現金の引き出しや通帳解約、不動産の名義変更、車両の売却などは全て処分行為とみなされます。

相続財産の処分行為を行うと単純承認が成立し、相続放棄ができなくなります。一度単純承認が成立すると取り消せないため、細心の注意が必要です。

高齢の両親が自己破産を検討している場合は早めに申立てを検討する

自己破産を検討しており、かつ高齢の両親がいる場合は、早期の申立てが有効な選択肢です。申立てから開始決定までの間に親が亡くなると、相続財産は破産財団に入れられて債権者へ配当されてしまいます。一方、開始決定後の相続であれば、財産は処分対象外で全額を受け取れます。

開始決定前に親が亡くなった場合、申立ての取り下げは可能です。ただし、申立ての取り下げは、再申立て時に免責を認められにくくなるリスクがあります。自己破産の実施は将来の相続も含めて総合的に判断する必要があるため、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ│自己破産における相続の取り扱いは相続が発生する時期で異なる

自己破産における相続の取り扱いは、相続が発生する時期によって大きく異なります。

自己破産手続き完了後の相続であれば、通常どおり遺産を受け取ることが可能です。しかし、手続き開始決定前に相続が発生すると、相続財産は破産財団に入れられて債権者への配当に充てられます。一方、開始決定後の相続であれば財産は手元に残ります。

相続放棄も選択肢の1つです。ただし、相続財産の額や自己破産手続きへの影響を考慮して慎重に判断する必要があります。遺産分割協議で破産者を意図的に除外する行為は詐害行為となり、否認権行使の対象となる恐れがあるため避けるべきです。

自己破産と相続が重なる場合は複雑な判断が求められます。債務整理や借金問題の経験が豊富な当法律事務所へお気軽にご相談ください。

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