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奨学金は債務整理できる?返せない時に使える救済制度の徹底解説!

奨学金には「貸与型」と「給付型」の2つの奨学金があります。

後々問題になってくるのが「貸与型」です。

その理由は卒業後に返還義務があるため、将来奨学金の返済が困難になる方もいるからです。

場合によっては、奨学金を含めたその他の借入が原因で生活が破綻してしまう方もいらっしゃいます。

では、奨学金が払えない場合には一体どうすればよいのでしょうか。

今回は、奨学金は債務整理できる・返せない時に使える救済制度の徹底解説について、どこよりも詳しくご紹介します。

奨学金は本来返済ではなく返還が正しい表記です。

本記事では制度については「返還」、借りた奨学金を返すという意味の時には「返済」と表記します。

債務整理とは何か?

債務整理とは債務(借金)の元本の減額、将来利息のカット、返済期限の変更・猶予、免除などの手続きができる制度のことです。

債務整理は借金がある人のために国が認めた救済制度です。

現在債務整理は国内で年間数百万人が利用しています。

また債務整理は1つではなく、いくつかの種類があります。

それぞれ特徴・利用するための条件、おすすめの人、メリット・デメリットがあり、どの債務整理が最適なのかは利用者の状況によります。

債務に関する用語の解説

債務には「借金」のような意味もありますが、本来債務は借金を返済する義務、代金を支払う義務などさまざまな義務を果たすことをいいます。

例えば相手から何かを買ったりすると、代金としてお金を支払うという債務が発生するということです。

債務を負っている人のことを「債務者」、債務を受け取る権利のことを「債権」、その債権を持つ人のことを「債権者」といいます。

これを奨学金の返還に当てはめると奨学金を借りた人を「債務者」、奨学金の返済を受け取る権利のことを「債権」、その債権を持つ奨学金の貸し先のことを「債権者」という関係になります。

債務整理の3つの種類

債務整理にはいくつかの種類があります。

個人が利用することにおすすめするのが任意整理、個人再生、自己破産の3つです。

ではそれぞれどんなものなのでしょうか。

次の章からは債務整理の3つの種類について詳しくご紹介します。

本来個人が利用する債務整理は任意整理・個人再生・自己破産、特定調停の4つでしたが、現在特定調停は使われなくなってきたので、今回の記事では省かせていただきます。

任意整理

任意整理とは裁判所を通さずに債権者と直接交渉して、月々の返済額や返済回数を変更してもらい無理のない返済を実現する制度のことです。

①任意整理の特徴

任意整理の特徴は債権者と直接交渉して、将来発生する利息分をカットしてもらったり、返済期間を延長してもらったりすることで元本の完済を目指すものです。

そのため元本が大幅に減額されたり、債務(借金)そのものがなくなる制度ではありません。

ここでの元本とは元々借りたお金のことです。

利息とは元金を借りた時に払う毎月の利用料のことになります。

②任意整理のメリット

任意整理のメリットは次の通りです。

1⃣手続きが簡単

任意整理は債権者と直接交渉するだけなので、個人再生、自己破産のように裁判所に提出する書類を作成する必要がありません。

弁護士はもちろん、債務を負っている本人でも交渉することができます。

2⃣将来発生する利息分をカットできる

任意整理を行うと将来発生する利息分をカットできるので、元本を返すだけでよくなり任意整理前よりも返済総額が少なくなります。

3⃣月々の返済額を減らせる

任意整理後は元本だけの返済になり原則3年から最長5年の分割払いで、月々の返済額も無理のない金額で一定にすることができます。

③任意整理のデメリット

任意整理のデメリットは次の通りです。

1⃣交渉が失敗することがある

任意整理は裁判所を介さず、あくまで当人同士での交渉なので、交渉がまとまらず失敗することがあります。

もし個人で交渉する場合に難易度が高いと思った場合には一度弁護士に相談してみることをおすすめします。

2⃣ブラックリストに載ってしまう

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報として登録されブラックリストに載ってしまいます。

3⃣保証人に請求がいく可能性がある

任意整理をすると、債権者(貸金業者など)はできるだけ借金の全額回収をしたいので、保証人が付いていれば保証人に請求がいく可能性があります。

④任意整理がおすすめの人

任意整理がおすすめなのは次の人たちです。

・自分で交渉したい人

・現在安定している収入がある人

・任意整理が初めての人

・現実的に返せる自信がある人

・車や家など、残したい財産がある人

個人再生

個人再生とは裁判所に申し立てを行って、再生計画の認可決定を受け、高価な財産を残しつつ、借金を大幅に減らす手続きができる制度のことです。

①個人再生の特徴

個人再生の特徴は債務者が再生計画案を作成して、裁判所が認めることでその法的効力が発揮されるものです。

借金を大幅に減額できますが、適用条件が厳しく、手続きも煩雑です。

個人再生は民事再生法という法律が根拠になっています。

②個人再生のメリット

個人再生のメリットは次の通りです。

1⃣元本を大幅に削減できる

個人再生をすると、借金を最大1/5〜1/10程度まで大幅に削減してもらうことができます。

そのため借金残高が多い場合には個人再生はおすすめです。

2⃣高価な財産を残せる

個人再生をすると、住宅ローン特則を利用することで住宅ローンが残っている家を残すことができます。

また車もカーローンを完済していれば残すことができます。

3⃣借金の原因を問われない

個人再生をすると、例え借金の原因がギャンブルによる浪費であっても原因を問われず利用することができます。

③個人再生のデメリット

個人再生のデメリットは次の通りです。

1⃣ブラックリストに載る

個人再生をすると、ブラックリストに載ります。

クレジットカードが使えなくなり、新規でのキャッシングやローンなどもできなくなります。

2⃣手続きが煩雑

個人再生の手続きは煩雑です。

理由は裁判所に提出する再生計画案を作成する必要があるからです。

民事再生法の内容に沿って作成しなければならないのでかなり難易度が高くなります。

3⃣認可決定まで時間がかかる

とにかく民事再生は申立てから認可決定まで時間がかかります。

通常4〜6カ月程度かかり、履行テストが行われた場合には追加で6カ月程度かかります。

そのため民事再生を行うにはある程度お金と時間に余裕がないと厳しいかもしれません。

④個人再生がおすすめの人

個人再生がおすすめなのは次の人たちです。

・債務の総額を減らしたい人

・マイホームや車を手放したくない人

・任意整理では解決が難しい人

自己破産

自己破産とは裁判所を通じて、債務の支払い不能の状態にある人が、債務の全額の支払いを免除する手続きができる制度のことです。

①自己破産の特徴

自己破産の特徴は裁判所に免責許可をもらうことで、税金や公共料金など非免責債権を除くほぼ全ての借金を払う必要がなくなることです。

ポイントは「免責許可」をもらえるかどうかにかかっています。

免責許可とは裁判所から借金の支払いを免除してもらえる許可のことです。

非免責債権とは免責許可を受けても免除がされない債権のことで、税金、社会保険料、養育費の支払い、損害賠償金などのことです。

自己破産の根拠は破産法によります。

②自己破産のメリット

自己破産のメリットは次の通りです。

1⃣ほとんどの借金がなくなる

自己破産をすると、借金が免除されるので残債があっても返済する必要がなくなります。

ただし税金、社会保険料、養育費の支払い、損害賠償金などは免除されないので自己破産後も支払い続ける必要があります。

2⃣取り立て、強制執行がなくなる

自己破産をすると、取り立てが止まり強制執行がなくなるので精神的、経済的な不安が解消されます。

お金に関するストレスから解放され、生活の立て直しに集中できます。

3⃣最低限の財産は残せる

自己破産をすると、生活を送るための必要最低限の財産は残すことができます。

③自己破産のデメリット

自己破産のデメリットは次の通りです。

1⃣高額財産は残せない

自己破産をすると、家や土地などの不動産、20万円を超える車などは回収、清算されるので手元には残せません。

またその他の価値のある財産や20万円以上の預貯金、99万円以上の現金も全て回収、清算され借金の返済に使われます。

2⃣ローンやクレジットカードが使えない

自己破産をすると、ブラックリストに載るため約5年〜7年の間はローンを組んだり、クレジットカードを使ってショッピングすることができなくなります。

3⃣保証人に一括返済が請求される

自己破産すると、自己破産した本人は借金の返済が免除されますが、保証人には免責の効力は及ばないので代わりに借金の一括返済が請求されます。

簡単にいうと、本人の代わりに保証人が借金を肩代わりするということです。

④自己破産がおすすめの人

自己破産をおすすめするのは次の人たちです。

・任意整理や個人再生では状況が改善しない人

・現在財産がほとんどない人

・債務の支払いが不可能な人

奨学金を返さないとどうなる?

学生にとって奨学金は役に立つ制度ですが貸与型には返還義務があります。

返す気があって借りても、社会人になってからの収入減が原因で返せなくなることも十分ありえます。

では奨学金を返さないとどうなるのでしょうか。

こちらでは奨学金を返さないことで起こることについて解説します。

①督促の連絡がくる

奨学金を日本学生支援機構から借りている場合、返済期日までに返済が確認できていないと、日本学生支援機構から奨学金返済の督促がきます。

督促の方法は通常、文書及び電話です。

2回目以降は、本人以外にも保証人・連帯保証人にも督促がいきます。

②延滞金が付く

奨学金を返してないと、返還期日の翌日から日数に応じて延滞金がかかってきます。

延滞金とは、返還金に対して支払い期限を過ぎてしまった場合に、本来支払うべき返還金に上乗せして支払うお金のことです。

現在日本学生支援機構の奨学金の金利は年(365日あたり)3%です。

③ブラックリストに載る

奨学金を返さないまま3カ月を過ぎてしまうと個人信用情報機関に個人情報が登録され

ブラックリストに載ります。

ブラックリストに載ると、その後奨学金の返還完了から5年経過しないとローンを組めなかったり、クレジットカードをつくれなかったりします。

結果ほとんどの金融機関からはお金を借りることができなくなるのでかなり不便です。

④債権回収会社に回収が委託される

奨学金を返せないまま4カ月目を過ぎると、奨学金の回収が債権回収会社に委託され9カ月目まで債権回収会社による督促が行われます。

ここまでは以前の督促とほぼ同じです。

ただし9カ月目以降になると一括返還請求、法的措置が予告されます。

⑤裁判所への手続が執られる

予告がされても返済がないと、裁判所に手続きが執られ訴訟され判決がでると最後は差し押さえに入ります。

裁判所での手続きの流れは次の通りです。

1⃣支払督促予告

2⃣支払督促申立

3⃣仮執行宣言付支払督促申立

4⃣強制執行

 差し押さえの対象は給料、不動産、家財道具にまで及ぶので注意が必要です。

また本人の財産を差し押さえても残債がある場合には、さらに連帯保証人の財産も差し押さえに入ります。

このように貸与型奨学金は「借金」なので、返還義務があることを忘れずに対処することをおすすめします。

奨学金が返せない時の救済制度

奨学金を返せない状態が続くと訴訟や差し押さえをされるかもしれません。

もし返せなくなった場合には救済制度が用意されています。

こちらでは日本学生機構による奨学金が返せない時の救済制度についてご紹介します。

①減額返還制度

減額返還制度とは返還誓約書で決めた返還月額では返せなくなった人に対して月々の返済額を減額できる制度のことです。

1回の返還月額を1/2、1/3、1/4、2/3のいずれかに減額できる制度です。

ポイントは元金はそのままで、月々の返還額は少なくなった代わりに支払期間が延びます。

1回の願出において適用期間は12か月、その後12カ月ごとに申請する必要があります。

最長15年(180か月)まで延長が可能な制度です。

②返還期限猶予制度

返還期限猶予制度とは、奨学金が返せなくなった人に対して返済の期限を先送りできる制度のことです。

通算10年(120ヶ月)先送りできます。

返還開始を10年後から始めることも可能です。

ポイントは元金、利息、月々の返済額はそのままで、一定期間の間返済を先送りされるだけでトータルの支払い額は同じです。

③所得連動返還型無利子奨学制度

所得連動返還型無利子奨学制度とは、卒業後一定の収入が入るまでの間、返済期限が先送りされる制度のことです。

対象は第一種奨学金に申込みをした人の中から選考されます。

1年ごとに申請し承認を得なければならず難易度が高い制度です、

④返還免除制度

返還免除制度とは奨学金の全額または一部を返さなくてもよい制度のことです。

利用の条件は本人が亡くなった時、または精神・身体の障害などが原因で仕事ができなくなった時に申請することができます。

奨学金の返済に任意整理が向かない理由

奨学金が返せなくなった時に任意整理を使うことはできますがあまり効果はありません。

その理由はそもそも奨学金は低金利で、長期分割払いだからです。

奨学金の金利は上限年3%の低金利で、返済年数は最短13年から最長20年です。

そのため任意整理のメリットである将来発生する利息分をカットしてもらったり、返済期間を延長してもらったりしてもほとんど任意整理前と変化がないので奨学金の返済には向きません。

大きな財産を守りたい場合には個人再生

奨学金の返済に個人再生は向きます。

こちらでは奨学金の返済に個人再生を使ったことで得られる2つのメリットについてご紹介します。

①家や車を手放さなくて済む

奨学金の返済に個人再生を使うことで家や車を手放す必要がなくなります。

家や車などの大きな財産を残したい時には個人再生はおすすめです。

②債務を大幅に縮小できる

奨学金の返済に個人再生を使うと債務を1/5から1/10まで大幅に縮小することができます。

残債がかなり残っている場合にはおすすめです。

ただしお金や時間がかかるので、ある程度お金に余裕がある人でないと使えないかもしれません。

奨学金だけでなく全ての借金を消したい時には自己破産

自己破産をすれば奨学金だけでなく、現在持っている全ての借金を消すことができます。

本当に生活に困っている場合には活用を検討してみてください。

ただし自分は支払いから免れますが、連帯保証人に返還義務が移り一括返済を要求されるデメリットとのバランスを考えてから使うことをおすすめします。日本学生支援機構の貸与型奨学金を借りる時には「人的保証」か「機関保証」のどちらかを選択する必要があります。「人的保証」を選択している場合には自分の連帯保証人に返還義務が移ることから自己破産を活用する場合にはしっかりと関係者と話しあってから活用しましょう。特に保証人や連帯保証人を家族や親族に依頼している人は十分注意してください。

債務整理に関する法改正

2020年4月1日の民法改正により、これまでバラバラだった債権の消滅時効の原則的な時効期間が整理・統一されました。

ポイントは主に次の2点です。

①債権者が権利を行使できると知った時から5年

②債権者が権利を行使できる時から10年

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結論、親が債務整理(任意整理、自己再生、自己破産のいずれか)をしても子の奨学金審査には影響はありません。

そのため安心して奨学金審査に申し込んでください。

ただし債務整理中の親は連帯保証人にはなれません。

なので、親以外の保証人や連帯保証人を見つける必要があります。

まとめ

今回は、奨学金は債務整理できる・返せない時に使える救済制度の徹底解説についてご紹介しました。

社会状況の変化や経済状況の悪化により、奨学金を返したくても返せない人が増えているといわれます。

奨学金を貸した側の日本学生機構も返せない人のためにさまざまな救済制度を用意しました。

ただしそれでも返済が困難な人は後を絶ちません。

このような場合、債務の専門家による適切なアドバイスが不可欠です。

弁護士に相談することで次の3つのメリットを得ることができます。

・今すぐ返済の督促をストップしてくれる

・最善の解決策を相談することができる

・もし裁判や強制執行になった時に代行して対応してくれる

もし奨学金が返せなくなってお困りの時は、ぜひ一度京都総合法律事務所に相談してみることをおすすめします。

 

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